2017年3月29日水曜日

久々に映画館へ…『サーミの血』

こんにちは、mayukoです。

スウェーデンに引っ越してから、映画館へ行くことがめっきり減りました。理由はもちろん言語の壁。引っ越した最初の頃はスウェーデン語の映画についていける自信もなく、だからと言ってスウェーデン語字幕の英語の映画も厳しい、その他の外国語でスウェーデン語字幕なんてもっときつい。

でも、先日『T2 トレインスポッティング』がスウェーデンでも公開になり、これは絶対に観ないと!と映画館へ。覚悟はしていたけど英語についていくのも字幕について行くのも大変でした。

久しぶりに映画館で映画を観て、やっぱり映画館はいいな〜、ということでその勢いで気になっていたサーミの少女を主人公としたスウェーデン映画『サーミの血(原題:Sameblod)』を観に行きました。

映画館はストックホルム中心部、クングスガータン(kungsgatan)沿いにある映画館Saga。

ネオンサインがいい雰囲気の1937年にオープンしたこの映画館、中もなかなかクラシカル。


スウェーデンもチケット購入時に座席を選ぶのですが、この日は平日の午前の回ということもあり、かなり空いた状態。座席指定はしていたものの、入場時に「好きなところに座っていいよ〜」ということでした。

さて、肝心な映画はというと1930年代を舞台に主人公の女の子がサーミゆえに差別を受けるのですが、彼らが受ける差別や不当な扱いはもちろん、その差別から抜け出すために彼女がとった行動、その一途さ、頑固さに見ていて心苦しくなってしまいました。
KOKEMOMO Swedenを立ち上げる際にサーミのことを書きたいと、みきちゃんと調べて彼らが受けて来た差別のことなども知識としては知ってはいましたが、ドキュメンタリーではないにしても映像として見るとより辛くなってしまいます。
そして当たり前のことかもしれないのですが、サーミ語、民族衣装のコルト(Kolt)、移動式住居コータ(Kåta)、彼らの歌ヨイク(Jojk)などが80年ほど前には普段の生活の中にあったということです。日本人の服装が和服から洋服に変わったように近代化の中で変化した部分もあるでしょうが、スウェーデンへの同化政策の中でサーミ独自の生活文化が失われていったと思うと残念な思いがします。

この映画は2016年東京国際映画祭でも上映され審査員特別賞と主演のレーネ=セシリア・スパルロク(Lene Cecilia Sparrok)が最優秀女優賞を受賞しています。


老人ホームの利用者と話していると彼らの世代(主に1930年代〜1940年代生まれ)はいまだにサーミをLapparと蔑称で呼んだり、昔の感覚のままなのか見下している人もいます。上記のようにわたしが映画を観た日は平日ということもあり、観客のほとんどは年配の方々でした。彼らがどのように感じたのかとても気になるのですがさすがに知らない方にそれを聞くことはできませんでした。

最後に、わたしの映画館問題『言語の壁』ですが、スウェーデン語の映画にスウェーデン語の字幕付きでとてもありがたかったです。途中サーミ語の部分もあるから字幕付きなのかとも思いましたが全てかどうかはわかりませんが他のスウェーデン映画でも字幕付きで上映されているようです。そういえばスウェーデンでは聴覚障害者向けにスウェーデン映画にも字幕が付いていると聞いたことがあるような。これは聴覚障害者だけでなくわたしのような外国人にとってもありがたいシステムです。


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