2012年10月30日火曜日

秋のカフェ・コロニー

10月の最終日曜日は時計を1時間戻して夏時間から冬時間に戻ります。木曜日には初雪が降ったストックホルムでしたが、週末はきれいな青空が広がる秋晴れの天気でした。



そんな天気のいい日曜日にKOKEMOMO SwedenSmultronställeでもご紹介しているカフェ、コロニー(Koloni)に行ってきました。

コロニーはサルトショー・ドゥーヴネス(Saltsjö-Duvnäs)の駅からのんびり歩いて15分ほどのところにあります。天気の良い日はこの水辺の道は散歩するのに絶好のスポットです。



コロニーの入り口ではハロウィンのジャック・オ・ランタンがお出迎え。


夏には緑に囲まれていたこのカフェも、すっかり秋色です。
 



ケーキを並べるカウンターには黄色の落ち葉が敷きつめられていました。この日のケーキはグースベリーのパイやアップルパイ、キャロットケーキ、チョコレートケーキなど。

わたしたちはサーモンのサンドウィッチとベリーとアーモンドのパイを頂きました。夏には子どもたちが庭を駆け回りにぎやかだったカフェもこの日は静かでゆったりとした時間がながれています。


コロニーでは今年は11月30日からクリスマスのお料理、ユールボード(Julbord)が始まります(要予約)。
メニューは伝統的なニシンのマリネやサーモン、ミートボール、クリスマスハム、ヤンソンさんの誘惑などはもちろん、サフランハルミチーズとほうれん草サラダのローストナッツ&ハニードレッシングがけ、パルメザンチーズ&パースニップのグラタンなどコロニーオリジナルの料理も。サフランのブッレやジンジャーのファッジなどデザートも充実しており全部で30以上のメニューが並びます。

このコロニーのユールボードは以前から行きたいと思いつつ実現していなかったので、今年こそ、行ってみたいと思います。












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2012年10月24日水曜日

ロールストランド・ピッピ&エーミルのクリスマスマグ 2012

9月に新作を発表したロールストランド(Rörstrand)から、新たに長くつ下のピッピとエーミルのクリスマスマグが発売になりました。

北欧のキャラクターマグと言えば、フィンランドのアラビアによるムーミンシリーズが有名ですが、2011年に発売されたのがロールストランドの『長くつ下のピッピ』と『エーミル』というスウェーデンを代表する児童文学のキャラクターをモチーフにしたマグです。

『長くつ下のピッピ』と『エーミル』は児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの代表作。アストリッドと言えば、日本では『ロッタちゃんシリーズ』が人気ですがスウェーデンでは何といってもピッピとエーミル!

アストリッド・リンドグレーン


『長くつ下のピッピ(Pippi Långstrump/ピッピ・ロングストルンプ)』はアストリッドが彼女の娘のために作ったお話しから生まれた作品です。発表から67年経った現在でもその人気は衰えず、ピッピ柄の子供服を着た子どもや、ピッピやおさるのニルソン氏のお人形を持った子どもを街で見かけることも珍しくありません。

ピッピとニルソン氏


『エーミル(Emil i Lönneberga/エーミル・イ・ロンネベリヤ)』は日本での人気はあまり高くないように思えますが、スウェーデンでは定番中の定番。1900年代初頭のスウェーデンはスモーランドの農場を舞台とした8歳のいたずらっ子エーミルのお話しです。
エーミルの家族と農場のみんな


アストリッド・リンドグレーンはわたしも大好きなので、いつか彼女について詳しく書きたいと思いますが、今回はロールストランドのマグについて…。

2011年に発表されたのはピッピとエーミルの絵本の挿絵をモチーフにしたそれぞれ3種類のマグでした。


同年のクリスマスには初のクリスマスマグを発売、今年の春にはピッピマグの新柄がが登場。
そして先日クリスマスマグの第2弾が発売されました。

ピッピのマグは「Pipps Julklapp(ピッピス・ユールクラップ/ピッピのクリスマスプレゼント)」と題された、プレゼントをもらって喜ぶピッピのモチーフ。青いマグにモノクロのピッピの絵柄、と大人でも使いやすそう。
Pippis Julklapp


エーミルのマグは「Emil och soppskålen(エーミル・オック・ソップスコーレン/エーミルとスープボウル)」。食いしん坊のエーミルがスープをつまみ食いしようとしてスープボウルに頭を突っ込んだら抜けなくり大騒動!という有名なエピソードの場面がマグになっています。お話しの主人公であるエーミルの顔が見えない場面をチョイスするところがちょっとびっくり。
Emil och soppskålen


このクリスマスマグは12月31日までの限定販売。こういうシリーズ物はひとつ買うと集めたくなってしまうのであえて手を出さないでいるのですが、『限定』といわれるとついつい欲しくなります。

ピッピとエーミルのマグ、この先、どんな絵柄が登場するのか楽しみ。アストリッド・リンドグレーンのファンとしてはムーミンマグに負けないほどの定番商品になって欲しいと思います。

ロールストランド公式サイト


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2012年10月21日日曜日

スウェーデンの極上レストラン、フランツェン/リンドベリ

この近年で世界の注目を集めている北欧キュイジーヌ。
それには、2010年以来3年連続で「世界のベストレストラン50」でトップに選ばれているデンマークのレストラン「ノマ(Noma)」の影響も大きいのではないでしょうか。

「世界のベストレストラン50」はイギリスの料理専門雑誌が主催している、今世界の一流シェフが最も注目しているランキング。今ではトップの座に輝く「ノマ」、それ以前はあのスペインの「エル・ブリ」が4年連続でトップの座を守っていました。

そしてデンマークのお隣、私の住むスウェーデンでも、同じくこの世界のベストレストラン50に入る素晴らしいレストランがいくつかあります。
今年2012年のランキングで20位の「フランツェン/リンドベリ(Frantzén/Lindeberg)」、32位の「フェーヴィーケン(Fäviken)」、そして41位の「マティアス・ダールグレン(Mathias Dahlgren)」です。

この3軒のレストランはスウェーデンではもちろん、誰もが知る有名レストラン。
食に目がない私。というよりもただの食いしん坊なだけですが、この3件とも大好きなレストランであり、すでに何回か訪れたこともあります。(Fävikenは最近念願がかないようやく行くことができたものの、プライベートではなく取材で行ってきました!笑)どのレストランもさすが世界の50位内に選ばれるだけあり、とにかく食材から演出、味、そしてサービスに至るまで、全てが素晴らしすぎて訪れるたびに感動を覚えます。

昔は美食の中心と言えばフランス。それがここ近年で一気に美食家の注目が北欧へと向かいました。その証ともなるのがこのスウェーデンの3軒のレストラン、ともに2010年、2011年、「世界のベストレストラン50」ではなんとランキング外なのです。今後も、世界的に北欧キュイジーヌの熱はますます高まっていくこと間違いなしと言っても過言ではないでしょう。

さて、今週日本では、10月17日から北欧5カ国の在日大使館による食交流促進イベント「ノルディック・スターシェフ・イン・ジャパン」が開催されていました。
このイベントに、スウェーデンからは世界のベストレストラン20位にも選ばれている、フランツェン/リンドベリ(Frantzén/Lindeberg)のシェフ、ビヨーン・フランツェン(Björn Frantzén)が来日をしています。

私が日本へいるなら、このイベント是非行きたかった!

まだまだ日本では知られていないフランツェン/リンドベリ(Frantzén/Lindeberg)。とにかく素晴らしいレストランなので、このせっかくの機会に、私が訪れた時の素晴らしいお料理を少しご紹介しようと思います。
フランツェン・リンドベリには、今までに2回訪れたことがあります。2回とも、まだこの世界のレストラン50に選ばれる前でしたが、それでもすでに予約を取るのは困難でした。今となってはさらに予約を取るのが難しくなっていることでしょう。そしてやはり値段も少しだけですが上がっていますね。当時でもお支払いの際には、日本行きのエアーチケットが余裕で買えるなぁなどと思ったものですが......。

ストックホルムの旧市街ガムラスタンの中にあるこのレストラン。お店の中は15人も入ればいっぱいになるような、こじんまりとしたレストランです。
オープンは2008年。レストランの名前は、シェフのビヨーン・フランツェン(Björn Frantzén)とパティシエのダニエル・リンドベリ(Daniel Lindberg)の2人の名前からとったもの。2009年にはミシュラン1つ星を獲得し、続けて翌年2010年には2つ星を獲得しています。

私が初めて訪れたのが確か3年前の2009年。
さすがに3年前にもなると、写真を見ても思い出せないお料理もちらほら......。
オープンした当初からずっと気になっていたこのレストラン。念願かなっていざ行くこととなった時は前日からワクワクしていたことを覚えています。
このときは確か8品のコースにワインのパッケージをつけました。8品といっても、その前後に小さいお料理がたくさん出てくるため、最終的にはトータルで約15品ほどのお料理をいただくことになります。さすがに後半はおなかがいっぱいでやっとの思いで完食した記憶があります。当時訪れたときはメニューがなく、今日使用している食材と産地名が載ったリストを渡されるだけ。お料理は出てきてからのお楽しみという演出でした。


ぱくっと一口で頂けるようなお料理が次から次に出てきます。食べるのがもったいないような美しさ。



フランツェン・リンドベリのパンはとにかくおいしい!こんなパンが食べられるなら、パン嫌いの私でも毎日食べてしまうかも。




このチキンとブルゴーニュワインの組み合わせが最高でした。

右下はバター。奥のバターがなんとスモークをしたバターで、これがびっくりする美味しさで感動しました。左側がチーズの盛り合わせ。お皿はツールドフランスの地図を真似てチーズを産地ごとに配置。そしてiPodが出てきて、そこから流れてくる解説は、まるでツールドフランスの解説をしているかのように、チーズの説明をしてくれるのです。それを聞きながら食べるという面白い演出でした。


下の4つはデザート。デザートだけでもこんなにたくさん出てきます。もちろん、一皿一皿のポーションは大きくないのでぺろりと完食できてしまいます。右下はとてもとても小さなチーズバーガー。だけどもちろんデザートなので、ハンバーガーに似せて作ったマカロン。ミニケチャップとミニマスタードもついてくるのですが、これは確かラズベリージャムとかだった記憶が。アイデアも本当に素晴らしい!



言うまでもなくワインペアリングも素晴らしかったです。



そして2回目に訪れたのは確か2010年。(2011年だったかも....)
一回目に訪れたときとの違いは、ミシュラン1つ星から2つ星へ。そして、メニューは相変わらずないものの、帰り際にはその日食べたメニューを頂くことができるようになっていました。

こちらは自家製のCharkuterieというハムが中に入っていました。


こちらは自家製の天然酵母のパンを発酵中。テーブルで発酵の様子をしばらく見ることができます。のちほど、これを焼いてくれるので焼きたてのパンを食べることができます。




中心のピンクのマカロン。これはチェリーのマカロンの間に、カモのレバーパテとキャラメリゼされたコンデンスミルクに白みそが入っているという、文字だけを読んでいると全くお味が想像つかない代物なのですが、甘じょっぱいようなお味で美味でした。









先ほどテーブルで発酵させていたパンが焼きたてほやほやになって出てきました。パンもさることながら、前回同様に自家製バターがとにかくおいしい!

8週間熟成させたスウェーデン牛を薄ーくスライスして、このレストランの畑でとれたハーブ、スモークしたうなぎ、カモのレバーなどがのせられた一品。



左のぶれた写真の白ワインは、私の大好きなルロワさまのワイン。ルロワ(Leroy)と言えば、ブルゴーニュで数々の伝説を残しており、天才と言われている女性醸造家です。こんなの見つけたら飲まないわけにはいきません!このブルゴーニュ・ブラン(Bourgogne Blanc)はルロワのワインの中ではお手頃価格のワイン。彼女のワインは何十万もするワインなんてざら。
でも、そんなお手頃価格のワインでも彼女のものは本当に素晴らしいのです。
右は、シャトーヌフデュパップ(Chateauneufa-Du-Pape) の生産者ではトップと言われているシャトーレイヤス(Chateau Rayas)のピニャン(Pignan)。こちらもとてもおいしくいただきました。


こちらがノルウェーはHitra産のKammussla(カムムッスラ)というホタテの一種。エッグクリームにゴットランド(Gotland)産のトリュフやスモークしたきのこ、レモンの皮などがたっぷりかかっています。うまみがぎっしりつまった一品でした。


食べ終わるとそこにこの貝の出汁を注いでくれます。その出汁スープとともに、右にある貝と魚の卵のタルタルを一緒に頂きます。タルタルがほのかなゆずの味がして、少し和な感じでした。




一皿一皿、泣けてくるほどに繊細で、芸術的な美しさがあります。
そして、フランツェン/リンドベリは自社の畑を持っており、そこでとれた野菜やお花、ハーブがお料理ごとにふんだんに使われています。



鉄瓶がでてきて何事かと思ったら、その中には白醤油とトリュフを使用したスープが。和を少し意識したんでしょうね。そのスープとともに頂くものはなんとフレンチトースト。左側の黒い点は100年醸造させたというバルサミコ。この組み合わせにはとにかく驚き。なんというか、料理の限界と思われているところから逆に新しいものを生み出す、そんなことが一流と言われる人はできてしまうことに打ちのめされたような記憶があります。





この時、ワインやお料理をサーブしてくれたFelix。彼とはこれが出会いで、その後様々なところで出会うようになりました。現在Felixは、去年2011年にオープンして今ストックホルムで一番話題になっているファインダイニングレストラン、ガストロロギック(gastrologik)で働いています。このレストランもとても素晴らしいレストランなので、また違う機会にでもご紹介したいと思います。



月桂樹の葉のアイスクリーム。添えられているものは、レストランの持つ畑にあるリンゴの木からとれたリンゴを使用したジャムやリンゴたちに、パースニップのチップス。爽やかな自然な甘さを楽しめました。

最後の締めが、自家製マーマレードをつけていただくロールケーキ。これが幸せになる美味しさでした。



フランツェン/リンドベリのお料理は一品一品、とにかく手が込んでいて美しい。しかも美しいだけではなくお料理の本質である美味しさもきっちりと持ち合わせています。
素材へのこだわりは彼らのプライドさえも感じられるほど。

北欧の、その土地にしかない素材を集め、じっくり吟味し、北欧らしさや料理のおいしさを追求しながら独自の世界をつくりあげているレストラン、フランツェン/リンドベリ。

貴重な体験をしたい方は是非一度、訪れてみることをおすすめします。北欧キュイジーヌを堪能できること間違いなしです!

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